2005 Fiscal Year Annual Research Report
可視光反応型光触媒スパッタ膜の形成と有機化合物の分解
Project/Area Number |
04F04380
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高橋 隆一 富山大学, 工学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KANDASAMY Prabakar 富山大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 光触媒 / スパッタ膜 / 可視光 / 有機化合物 / 酸化チタン / 紫外線 / 硫化カドミウム |
Research Abstract |
直流マグネトロンスパッタ装置によりTiO_2薄膜を形成した。スパッタガス圧P_s=0.12Pa、基板-ターゲット間距離D_<T-S>=40mmの条件での形成膜の結晶性が一番良く、アナターゼ構造を示し、光活性も最も良いが、P_s=0.8Pa、D_<T-S>=70mmでの形成膜は大部分アモルファスであり、光活性も良くないことが分かった。 形成膜に人工太陽光源を照射してメタノールガスの分解、有機色素メチレンブルー水溶液の脱色、等の実験を行い、光活性を評価した。 窒素をドープしたN-TiO_2薄膜では、光吸収端が380nm〜530nmまで長波長側へシフトし、可視光照射による光活性が改善し、酸素の空孔が重要な働きをすることが分かった。 CdS薄膜は溶液を利用したケミカルバス形成法により形成した。最初、16.5mlのアンモニア水(9.5M)を60mlの水と混ぜ、その中へ0.4mlの1M-硫酸銅(CdSO_4)をゆっくりと攪拌させながら水溶液を作る。つぎに、その混合水溶液の温度を75℃に保持しながら、1.6mlの1M-チオ尿素(CS(NH_2)_2)水を注いだ後、ガラス基板を水溶液中に浸してCdS薄膜をガラス基板上に析出させ、約40分後基板を取り出し水洗いした。CdS形成膜の上に上記の方法でTiO_2薄膜を形成し、TiO_2/CdS二層膜を作製した メタノールは可視光を照射することにより、CO_2とH_2Oに分解された。N-TiO_2薄膜を用いたとき、メタノールの分解効率はTiO_2単層膜を用いたときの約2倍であるが、TiO_2/CdS二層膜を用いたときは約4倍であった。このことから、TiO_2膜中への窒素ドープやCdS下地層等は可視光の有効利用に適することが明らかになった。 個々の膜では、有機色素メチレンブルー水溶液は脱色されるが、その時間依存性には大きな差は見られず、多量の物を短時間で分解するのが難しいことが示された。
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Research Products
(3 results)