2005 Fiscal Year Annual Research Report
赤外分光法及び量子化学計算法による生分解性ポリマーのCH…O水素結合と熱的挙動に関する研究
Project/Area Number |
04F04385
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
尾崎 幸洋 関西学院大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG He 関西学院大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 赤外分光法 / 量子化学計算法 / 生分解性ポリマー / CH…O水素結合 / 熱的挙動 |
Research Abstract |
生分解性ポリマーの一つであるpoly(3-hydroxybutyrate)(PHB)とやはり生分解性ポリマーである80% hydrolyzed poly(vinyl alcohol)(PVA80)のブレンドポリマーの相溶性、水素結合(一般の水素結合とCH…O水素結合の両方)、熱的挙動を赤外分光法とDifferential Scanning Calorimetry(DSC)法を用いて研究した。PVA80のブレンド比0〜100%(10%ごと)のものを用意し、DSC測定と温度変化赤外スペクトル測定を行った。 その結果以下のようなことが明らかになった。 (1)PHBはブレンド比に関係せずアモルファス状態のPVA80と相溶である。 (2)PVA80のブレンド比が30wt%以下、PHBのブレンド比が20wt%以下のときPVA80とPHBはそれぞれアモルファス状態をとる。 (3)PVA80とPHBはともにC=O伸縮振動バンドを示し、これらのバンドは互いに重なり合うので室温においてPVA80のOH基とPHBのC=O基間の水素結合を赤外分光から研究することはできなかった。しかし高温ではそれが可能であった。 (4)PHBとPVA80とがブレンドを作ってもOH基同士でPVA80間で水素結合しているOH基にはほとんど影響を与えなかった。しかしPVA80のC=O基と結合しているOH基はPHBとのブレンドによりかなり切れることがわかった。このPHBのC=O基とPVA80のOH基が両者の相溶性の原因と考えられる。 (5)PHBのCH…O水素結合はブレンド形成によりほとんど影響を受けなかった。
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Research Products
(1 results)