2005 Fiscal Year Annual Research Report
界面ナノ反応場の特性を利用した金属ナノ粒子の合成とそのバイオセンサーへの応用
Project/Area Number |
04F04392
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN Yong 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | メソポーラス材料 / 陽極酸化アルミナ膜 / シリカ海面活性剤複合体 / ナノ金属材料 / 電気化学 |
Research Abstract |
界面活性剤ミセルの鋳型合成によって形成するシリカ/界面活性剤ナノチャンネル集合体は,均一なチャンネル直径と高い吸着容量から,分離分析あるいは触媒分野での応用が期待されている。本研究では,陽極酸化アルミナ膜を利用して基板に垂直に配向したシリカ/界面活性剤集積膜(NAM)を作製し,ナノチャンネル内へのキサンテン系色素分子の抽出・逆抽出機構の解明を第一に行った。カチオン性色素であるRhodamine 6G(R6G)およびアニオン性色素であるSulforhodamine B(SRB)の水溶液に,既報に従い作製したNAMを浸漬し,色素溶液の吸収スペクトルを測定することでNAMへの色素分子の抽出過程をモニターした。その結果,カチオン性のR6Gはイオン対抽出機構で,アニオン性SRBはアニオン交換機構によりNAMへ抽出されることが分かった。この知見を基に,様々なイオンのNAMを介した膜透過特性について検証した。実験では,フェリシアン,ヘキサアミンルテニウム,ドーパミン,アスコロビン酸を用い,それぞれの膜透過挙動を電気化学測定によって計測した。その結果,アニオンであるフェリシアンとアスコロビン酸の膜透過流速,ラグタイム共にカチオンであるヘキサアミンルテニウム,ドーパミンに比べて早いことを確認した。これは,アニオンのNAMへの抽出がカチオンに比べて早いこと,およびNAM内での拡散定数が大きいことに起因すると考えられる。 次に,アニオン性基質の速やかな膜透過特性を利用して,金属ナノ構造体アレイの創製を行った。実験では,側面にカーボン膜を蒸着したNAMをカソードとし,塩化金酸のナノチャンネル内での電積を行った。アニオンである塩化金酸は,前述のアニオン交換機構によりナノチャンネルを速やかに通過し,背面に形成したカーボン電極上で還元し,ナノチャンネル内に金ナノワイヤーが電積される。その結果ナノチャンネル内で金ナノワイヤーの形成が確認された。
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Research Products
(1 results)