2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04396
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Host Researcher |
田中 正人 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授
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Foreign Research Fellow |
NUNE Satish Kumar 東京工業大学, 資源化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ホスホン酸 / ホスフィン酸 / ロジウム / パラジウム / ヒドロホルミル化 |
Research Abstract |
ビニルホスホン酸ジメチルを[RhCl(CO)_2]_2を基本触媒として一酸化炭素及び水素の1:1混合ガス100気圧、120℃の条件下トルエンを溶媒に用いてヒドロホルミル化させた。18時間で反応は完結し、分岐アルデヒド(α)、直鎖アルデヒド(β)、水素化物の3者が生成した。配位子の有無、配位子構造を変えて検討した結果、α:β:水素化物の収率について以下の()内にしめす結果が得られた:無し(31:41:13)、PPh3(78:12:6)、dppe(93:3:1)、dppp(89:3:5)、dppb(85:9:3)。即ち、通常は配位力が強すぎるため反応を抑制することの多いdppe配位子が、活性、選択性の両面からすぐれていることが分かった。α-ヘキシルビニルホスホン酸ジメチルを1-オクチンとホスホン酸ジメチルの付加反応で合成し、同様の条件下でdppbを配位子に用いてヒドロホルミル化反応させると、α体は全く生成せず、β体36%、2重結合異性化による1-メチル-1-ヘプテニルホスホン酸ジメチル49%、水素化体15%が生成し、異性化体の反応性は極めて低いことが分かった。 上記に平行して、ヒドロホルミル化の原料として用いるアルケニルホスフィン酸エステルのアルキンへの付加反応による合成法を検討した。本反応は選択的に位置異性体を得るのが困難で、フェニルホスフィン酸エチルとフェニルアセチレンの反応を酢酸パラジウム触媒で行う場合、一般に物質収支がバランスせず、また、構造不明の生成物も得られ、生成物を純品として取り出すに至っていない。選択的にαスチリルホスホン酸エチルを得る条件を見出すべく配位子の効果を継続している。
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