2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04396
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Host Researcher |
田中 正人 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授
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Foreign Research Fellow |
NUNE Satish Kumar 東京工業大学, 資源化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ホスフィン酸エステル / ヒドロホルミル化 / パラジウム / ロジウム / アルブゾフ反応 / 錯体触媒 / 塩基触媒 |
Research Abstract |
Pd触媒を用いる水素化ホスフィン酸エステルのアルキンへの付加反応を継続して検討し、選択的に生成物を与える3種の新規手法を見出した。即ち、フェニルアセチレンでの検討の結果、(1)dppe配位子を用いると内部炭素にリンが導入されたα-スチリルホスフィン酸エステルが、(2)P^tBu_3配位子を用いると末端炭素にリンが導入されたβ-スチリルホスフィン酸エステルが、(3)エタノールを溶媒に用いても末端炭素にリンが導入されたβ体が、それぞれ選択的に得られた。これらの手法はアルケニルホスフィン酸エステルの合成法として極めて有用であるため、各種のアルキン化合物についても検討範囲を拡げて検討した結果、いずれのアルキンにも適用可能な一般性の高い手法であることを明らかにした。 アルケニルホスフィン酸エステルのRh触媒によるヒドロホルミル化については、スチリルホスフィン酸エステルについて第3四半期広範になってから検討した。α体は効率的に反応し、末端炭素にホルミル化されたアルデヒドが90%以上の選択性で得られた。しかし、β体では水素化反応しか進行しないことが明らかとなった。 デヒドロアミノ酸へのH-P(O)結合の付加反応によるアミノ化リン化合物の合成に関し、遷移金属触媒を用いる方法は期待生成物を痕跡量しか与えなかったが、NaHやDBU等の塩基触媒に用いると極めて良好に反応し、高収率に付加体を与えることを見出した。現在一連のデヒドロアミノ酸についての検討を継続している。 更に別の合成ルーとして、当初計画していたαオキソリン化合物の還元アミノ化ではなく、より直接的な塩化イミドイルとホスファイトのアルブゾフ型反応を検討し、極めて高い収率でαイミノホスホン酸エステルが得られることを見出した。これについても種々のホスファイトやホスフィナイト等に範囲を拡げて検討を継続している。
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