2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04398
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八島 栄次 名古屋大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIN Hongzhen 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ポリフェニルイソシアニド / らせん誘起 / 記憶 / ナノ粒子 / 光学活性 |
Research Abstract |
側鎖にカルボキシル基を有するポリフェニルイソシアニド誘導体(poly-1)は、光学活性なアミノアルコールとの非共有結合的な酸-塩基相互作用を介して、一方向巻きのらせん構造を形成する。さらに、誘起された一方向巻きのらせん構造は光学活性アミノアルコールを完全に除去後も、記憶として保持される。以上の背景をもとに本研究では、ポリフェニルイソシアニド誘導体にらせん構造が誘起あるいは記憶されることにより形成されるらせん状に配列した側鎖を不斉反応場として利用し、Agのようなナノ粒子やナノロッド、さらにはらせん状ナノワイヤーの合成が可能かどうかについて検討を行った。 Poly-1の水-アセトニトリル混合溶液に、光学活性アミノアルコールを添加し、一方向巻きのらせん構造を誘起した後、THFその後塩酸水に再沈殿することにより、らせん構造を記憶として保持したポリフェニルイソシアニド誘導体(h-poly-1)を調製した。得られたh-poly-1を水酸化ナトリウム水溶液により、水溶性のナトリウム塩型のポリマー(h-poly-1-Na)へと変換した。このh-poly-1-Naの水溶液に、AgNO_3を添加し、Na^+とAg^+のイオン交換を行った後、還元剤を加えることにより、Agナノ粒子とh-poly-1の複合体を調製した。また、らせん構造を記憶として保持していないpoly-1とAgナノ粒子との複合体も同様の手法を用いて調製した。現在、得られた複合体のモルフォロジーに関する知見について、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いた詳細な検討を行っている最中である。今後得られた知見をもとに複合体調製の条件を詳細に検討し、らせん状ナノワイヤーなどの合成を試みる予定である。
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