2005 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族ポリアミドのらせん及びシート構造に基づく人工ポリペプチドの創製
Project/Area Number |
04F04399
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
横澤 勉 神奈川大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAL Ravindra R. 神奈川大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 連鎖重縮合 / 重縮合 / ポリアミド / らせん / シート構造 / リビング重合 / ポリペプチド / ブロック共重合体 |
Research Abstract |
本研究は、らせん構造を形成するN-アルキル芳香族ポリアミドとシート構造を形成するN-H芳香族ポリアミドを我々が開発した連鎖重縮合によって自在につなぎ合わせ、天然ポリペプチドのように機能的で明確な三次元構造を持つ芳香族ポリペプチドを創製することを目的とした。これらの人工ポリペプチドは主鎖に芳香環を有し、水素結合や疎水相互作用のほかにπ-πあるいはCH-π相互作用を利用できるため、芳香族化合物に対して特異的な分子認識が行えるホスト分子として期待される。本年度はらせん構造とポリアミドシート構造ポリアミドとのブロック共重合体の合成を検討した。 まずポリアミドのらせん構造が容易に円二色性(CD)スペクトルで識別できるように光学活性側鎖を持つモノマー1の合成を検討した。光学活性物質として乳酸エチルを出発物質として9段階で目的とするモノマーが合成できた。次のこのモノマーの単独重合を行い、生成ポリマーがらせん構造を有することをCDスペクトルから確認した。シート構造を形成するN-H芳香族ポリアミドはアミノ基に保護基を有するモノマー2を合成し、重合後脱保護して目的とするポリアミドが得られることを確認した。 ブロック共重合体は開始剤からpoly2、poly1の順に重合すると副反応なく合成できた。ただし、poly2は溶解性が低いため10量体までしか導入できなかった。一方、逆に同一条件で開始剤からpoly1、poly2の順に重合すると1段階目の1の重合において成長末端が一部失活するためブロック共重合体とpoly1の混合物が生成した。種々条件を検討し、1段階目の1の重合において1が残存している状態で反応を止め、いったん単離したpoly1から2の重合を行なうと目的とするブロック共重合体だけが得られることを見出した。これらの重合条件をもとに種々の重合度を有するブロック共重合体を合成し、保護基を脱離してN-光学活性アルキル芳香族ポリアミドとN-H芳香族ポリアミドのブロック共重合体を合成した。現在これらのポリマーの種々溶媒中でのCDスペクトルを測定中である。
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Research Products
(8 results)