2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04416
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
野上 正行 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Yong 名古屋工業大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 微粒子 / 金 / 自己組織化 / 非線形光学 |
Research Abstract |
10nm程度にまで小さくなったナノ微粒子では、電子や正孔の運動が粒子サイズの影響を受けるようになり、バルク状態では見られない大きな光学非線形効果やクーロン・ブロケード効果が発生するようになる。ゾルゲル法の手法を活かした自己組織化法による金、微粒子の作製と、シリカ層で被覆したこれらナノ粒子の作製方法を検討すると共に、基板上への自己組織化による均一に分散配列した薄膜の作製を行い、得られた試料の三次非線形感受率の測定を行った。 1.塩化金酸を還元することで、10〜20nmの金微粒子を作製することができた。 2.金微粒子を含む溶液にゾルゲル法で合成した擬シリカ重合体を反応させることで、金微粒子を被覆することができた。被覆層の厚みは10〜30nmで、反応条件を変えることで調製することが可能であった。 3.得られたシリカ被覆金微粒子を基板上に自己組織化することができ、単層から5層まで、欠陥の無い積層膜を作製することができた。 4.自己組織化膜は金微粒子の表面プラズモン共鳴による光吸収を530nmに観測できた。その波長は金微粒子の大きさと粒子間相互作用によるレッドシフトしていくことが確認できた。 5.積層膜の三次非線形感受率を測定したところ、表面プラズモン共鳴共鳴波長に相当する波長で高い感受率を示すことがわかった。 6.金粒子間に働く力の理論計算を行い、粒子の凝集状態を解析することで、530〜1200nmの広い範囲で三次非線形感受率の高い自己組織化膜の得られることを示した。 得られた実験データから、シリカなどの誘電体層で被覆した金微粒子の自己組織化膜は、超高速スイッチや単電子トランジスターなどのデバイスへの応用が可能であることがわかった。
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