2005 Fiscal Year Annual Research Report
選択酸化用担持ナノクラスター触媒の新規調製とキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
04F04424
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAL RAJARAM 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | レニウム触媒 / 選択酸化 / ナノクラスター / ゼオライト / フェノール合成 / 担持触媒 |
Research Abstract |
ゼオライト担持Re触媒を調製し、分子状酸素を酸化剤としたベンゼンからのフェノール直接合成反応に94%の高い選択性を持つ新規触媒の設計に成功した。メチルトリオキソレニウムを前駆体として、HZSM-5にCVD(化学蒸着)法で固定化した担持Re触媒をアンモニアで処理すると、中心に窒素原子を内包したRe10核クラスターが生成することを見出した。XPSやXANESから、ゼオライト中の担持Re種は、Reは3価から4価に還元されていることがわかった。ReL3吸収端のEXAFS解析からは、Re6核のオクタヘドロン構造が辺共有で2つ連なった構造をしており、これが分子状酸素を酸化剤としたベンゼンからのフェノール直接合成反応の触媒活性種であることを明らかにした。また、DFT密度汎関数計算により、触媒活性構造のモデリングを行った。この活性Re10核クラスターは、モルデナイト、ベータ、USYなどの他のゼオライトでは形成されず、これらのゼオライトの担持触媒はベンゼンからのフェノール生成活性も有さないことがわかった。ZSM-5でも、Alの含有率が高いほど、選択的に活性クラスターを形成したことから、ゼオライト骨格中のAlの酸点を中心として、Reクラスターが形成されることが示唆された。 更に、界面活性剤を用いたCuナノクラスターによる選択酸化反応についても検討した。セリウム担持Cuナノクラスターが、水素の共存下、一酸化炭素の選択酸化反応に優れた触媒活性を持つことを見出した。担持ナノクラスターの構造について、XPS、XRD、XAFSを用いて詳細なキャラクタリゼーションを行った。
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Research Products
(3 results)