2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポストゲノム時代における革新的技術開発を目指した新規架橋型人工核酸の創製
Project/Area Number |
04F04433
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今西 武 大阪大学, 薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN S.M.Abdur 大阪大学, 薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 人工核酸 / 合成 / ヌクレオシド / オリゴヌクレオチド / アンチセンス / アンチジーン / コンホメーション / 二重鎖形成 |
Research Abstract |
当研究室では、ゲノム情報を利活用し遺伝子発現を制御するためのツールとして、核酸の糖部コンホメーションを固定化した各種架橋型人工核酸(BNA)を開発してきた。その中の代表的な化合物として世界に先駆けて開発した2',4'-BNA(別名LNA)があるが、これまでの研究成果を基に2',4'-BNA上回る第2世代架橋型人工核酸として2',4'-BNA^<NC>の設計・合成を行なった。 合成に関しては、文献既知の糖誘導体より2'位水酸基立体化学の反転、3'位、5'位水酸基の保護を経て2'位にアミノオキシ基を導入し、さらに2'位と4'位の間での閉環反応を行い、目的とする2',4'-BNA^<NC>モノマーへと導いた。続いてこれらモノマーは常法に従って5'位水酸基のトリチル保護、3'位水酸基のホスホロアミダイト化を行った後、DNA合成機により2',4'-BNA^<NC>修飾オリゴマーの合成を行った。 合成したオリゴマーを用いて融解温度(Tm)測定による二重鎖および三重鎖形成能についても検討を行い、その結果2',4'-BNA^<NC>により修飾したオリゴヌクレオチドは期待した通り第1世代人工核酸2',4'-BNA修飾オリゴヌクレオチドと同程度、あるいはそれを上回るRNA選択的二重鎖形成能と配列選択性を示し、高い三重鎖形成能も示すことを明らかにした。また分解酵素に対する安定性を評価した結果、2',4'-BNAを大きく上回り、現在用いられている修飾オリゴで最も安定なホスホロチオアートオリゴ(S-オリゴ)と同程度の酵素耐性能を示すことも明らかになり、アンチセンス・アンチジーン分子として非常に有望な化合物であることが判明した。
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