2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工亜鉛フィンガーペプチドの創製、DNA認識および遺伝子制御
Project/Area Number |
04F04435
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
杉浦 幸雄 同志社女子大学, 薬学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUTHU Dhanasekaran 同志社女子大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 亜鉛フィンガー / 人工ペプチド / 分子設計 / DNA認識 / 遺伝子制御 / 認識モチーフ |
Research Abstract |
亜鉛フィンガータンパク質はDNAに配列特異的に結合するが、酵素ではないので触媒機能は有していない。そこで、新たに加水分解のような触媒機能をもつ新しい亜鉛フィンガータンパク質の設計・創製を試みた。その結果、変異型亜鉛フィンガータンパク質であるCysHis_3型およびHis_4型亜鉛フィンガータンパク質にアミノ酸エステル、リン酸エステル、さらにDNA加水分解活性が明確に認められた。天然転写因子にCysHis_3型やHis_4型亜鉛フィンガータンパク質が存在しないのは、この触媒活性に起因していると考えられた。また、DNA結合能を有する単一金属フィンガーの創製をはかるため、天然GAGAファクター(約50アミノ酸残基)を基礎とした分子設計を展開し、種々の変異フィンガー体を設計・合成した。新規変異体はペプチド固相合成機で合成し、液体クロマトグラフィーで分離・精製後、質量分析計で同定・確認した。しかし、いずれの変異体に関しても、亜鉛をはじめニッケル、コバルト、銅、鉄などの金属とは金属フィンガーの形成(CDで確認)は認められるものの、DNAとの結合は検出されず、天然GAGAファクター(亜鉛フィンガータンパク質)の特異的な位置付けが推測された。単一亜鉛フィンガータンパク質であるGAGAファクターは、シングルフィンガーながら強くDNAに結合するので、人工タンパク質の分子設計には極めて優れた素材と考えられる。
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