2005 Fiscal Year Annual Research Report
相同組換えによる遺伝子ターゲティング:ノックイン技法の開発とイネ遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
04F04440
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Host Researcher |
飯田 滋 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 教授
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Foreign Research Fellow |
JIANG G. 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / 相同組換え / 遺伝子ターゲティング / ゲノム改変 / ノックアウト変異 / ノックイン変異 / 逆遺伝学 / 機能ゲノム学 |
Research Abstract |
イネのゲノム配列が明らかになり、配列情報から予測される未知遺伝子の機能解明が急務となってきた。我々は世界に先駆けてイネの内在性遺伝子配列を、相同組換えを利用した遺伝子ターゲティングにより改変することに成功し、先ずWaxy遺伝子、次いでAdh遺伝子を不活性化させたトランスジェニックイネのノックアウト変異体の作出に成功した。イネでの再現性ある遺伝子ターゲティングは、世界中で我々の成果が唯一の報告である。この成果を基に、本研究では、イネゲノム上の特定座位に予めデザインした遺伝子配列を組込んだり置換改変したりする"ノックイン"技法を開発して、イネの遺伝子機能、特に最近になって急速に注目を集めているエピジェネティックな遺伝子発現制御に係る遺伝子の時間的空間的発現の解析をめざす。そこで、シロイヌナズナのDNA脱メチル化酵素遺伝子ROS1に相同な遺伝子群の1つで転写活性が高いイネの遺伝子に着目して、ゲノム上の本来の座位にあるプロモーターにGUSレポーター遺伝子を組込んだイネのノックイン変異体を作出して発現様式の可視化を試み、組織特異的な発現解析を行うことにした。そのため、先ずこのイネのDNA脱メチル化酵素遺伝子の転写開始点と5'-UTR領域を詳細に解析し、次いで、前年度までにほぼ構築していた強力なポジティブ・ネガティブ選抜を利用したノックインのための基本ベクターに相同組換えのためのDNA断片をBACより得て組込んだノックイン導入ベクターを構築した。特に、このベクター構築の際にプロモーターを含む約5kb弱の相同領域内には塩基置換が起きて突然変異が導入されてはいないように注意を払った。現在、このノックイン導入ベクターを用いて形質転換を行い、ポジティブ・ネガティブ選抜で生残ったカルス中に相同組換えを起した形質転換カルスが存在するか否かを解析中である。
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