2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04441
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山口 裕文 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAVADI F. 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒヨコマメ / 形質進化 / 系統分析 / 核遺伝子 / 標本調査 / カナワニン |
Research Abstract |
世界的に重要な食用マメであるヒヨコマメとその近縁野生種について構築した分子系統樹をもとに外部形態および生理・生態的形質の形質状態を比較し進化過程を復元し、これまでの分類体系を再検討するため、標本調査、塩基配列解析、カナワニン成分の分析を行った。まず、属の多様性を内包した素材を分析するために、Kew植物園、ウィーン植物園、アンカラ大学植物標本館ANK等と、イズミル・ジーンバンク等で標本調査と分析素材およびDNAを収集し、葉緑体DNAのtrnK-matK、trnS-trnGの約3,200bpおよび核DNAのnrITSおよびETSの約1,100bpについてシーケンス分析を進め、信頼性の高い系統樹を構築した。一年生・多年生、形態的特徴、SEMによる種子表面構造、化学成分canavanineについて種ごとに特性を決定し、その形質状態を分析した。また、栽培植物の近縁野生種における遺伝資源保全の意義を考察するために特にヒヨコマメの類縁に留意して分析した。葉緑体および核DNAを総括して構築した分子系統樹には、大きな系統として、アフリカ群、地中海群、中東群、西中央アジア群が認められ、従来の属内分類は支持されなかった。これらの群の分岐年代を推定して、形質進化を討議した結果、ヒヨコマメ属は地史に沿った地理的分岐を基本として伝播域の気候条件に適応し、多様化し、栽培種ヒヨコマメは一年生種を多く含む中東群から進化したと推定された。成果論文を公表したほか、これまでの成果を使ってヒヨコマメの著書の一章(Chickpea Breeding and Management, Chap.2 : Taxonomy of the genus Cicer revisited)を分担執筆した。
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Research Products
(1 results)