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2005 Fiscal Year Annual Research Report

水圏生態系における細菌増殖効率の生態学的支配機構:新仮説の検証

Research Project

Project/Area Number 04F04444
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

永田 俊  京都大学, 生態学研究センター, 教授

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) ANGIA Sriram Pradeep Ram  京都大学, 生態学研究センター, 外国人特別研究員
Keywords微生物群集 / 多様性 / 細菌 / ウィルス / 原生動物 / 捕食 / 微生物植物網 / 増殖効率
Research Abstract

本研究は水域生態系の物質循環において重要な役割を果たす従属栄養性細菌群集の増殖効率の生態学的な支配機構を明らかにすることを目的としている。琵琶湖の沖合を調査対象とし、2005年4月から月に1回の頻度で表水層(水深5m)および深水層(水深50m)のサンプル水を採取し実験に供した。フィルターサイズ画分法により分画したサンプルについて、呼吸速度(ウィンクラー法)、細菌生産速度(チミジン法、ロイシン法)、細菌現存量を求めるとともに、増殖効率に影響を及ぼす可能性のある生物要因(捕食性鞭毛虫数、ウィルス数)と化学要因(各種栄養塩濃度)の測定を行った。現在、増力効率の計算に必要な、生産速度推定の変換係数の検討を進めている段階であるが、これまでの解析の結果、細菌諸変数の変動パターンとして以下のことが明らかになった。1)細菌数と生産は水温と強い正の相関を示した。2)細菌数とウィルス数の間には強い正の相関が見られ、両者の間にはほぼ1:10の比が保たれた。このことからウィルスの多くがバクテリオファージである可能性が示唆された。3)浮遊細菌の呼吸は全呼吸の40-60%を占めた。4)変数選択重回帰分析の結果、細菌増殖効率の変動の有意な部分が細菌増殖速度とウィルス数により説明されることが明らかになった。以上の結果から、ウィルスによる細菌感染が、細菌の選択的な除去や栄養回帰の促進を通して細菌群集全体としての生理状態に影響を及ぼしているという可能性が示唆された。本成果は、水域生態系の機能と生物多様性の関係を明らかにするうえで重要な知見であり、現在、出版準備中である。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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