2005 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン・26Sプロテアソームシステムを介した糖シグナリング機構の解明
Project/Area Number |
04F04445
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 淳二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAO Shan-Guo 北海道大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ユビキチンリガーゼ / 茎頂分裂組織 / 糖シグナリング / シロイヌナズナ / 形態形成 / SAM |
Research Abstract |
本研究「ユビキチン・26Sプロテアソームを介した糖シグナリング機構の解明」の眼目は、19Sプロテアソーム構成サブユニットRPT2に着目し、その機能と糖シグナルとの関連に関する研究を進めることにあった。糖高感受性シロイヌナズナRPT2aノックアウト変異体rpt2aと糖センサー変異体gin2との交配がこの研究の第一段階と考えていたが、詳細な研究の結果、両者がゲノム上で隣り合っていることが判明し、こちらの研究は現在頓挫している。これに代わり、現在では下記に示す研究を中心に進めている。 私たちは、植物の発生を司る茎頂分裂組織(shoot apical meristem:以下SAMと略)機能に異常を示す変異体の単離に成功した。SAMは植物における幹細胞で、未分化の細胞群を維持し続けることにより、植物の開放的な発生過程の根幹となる存在である。この変異体sha (shoot-apical-meristem arrest)は、発芽時においては正常なSAM活性を示すが、幼植物体時にSAMが停止・消失する。詳細な解析の結果、このsha変異体ではSAM活性の維持に重要なWUS遺伝子の発現が抑制されていることを明らかにした。また、この変異体の原因遺伝子がユビキチンリガーゼであることを明らかにした。この時点で、当初の研究課題であった「糖シグナルの解明」からは多少離れることとなった。しかし、ユビキチンリガーゼは、研究課題の中心である「ユビキチン化」に関与する遺伝子の研究であり、SAM活性ならびに植物の形態形成の制御機構という植物科学の重要命題に対する研究となると予想された。そこで、関係者間で話しあいの末、今後この課題を続行し、期間終了まで集中することに決定した。現在、種々のSAM活性に関与する変異体との交配実験、ユビキチンリガーゼ活性調節に関する実験を精力的に進めている。
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