2004 Fiscal Year Annual Research Report
メダカを用いた内分泌かく乱化学物質の新たな検出法の開発と作用機構の解析
Project/Area Number |
04F04449
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
林 眞治 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABDUS Md.Salam 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 内分泌かく乱化学物質 / 河川水 / メダカ / Green fluorescence protein / 検出感度 / 下水処理放流水 / コリオゲニン / エストロゲン活性 |
Research Abstract |
内分泌かく乱化学物質の多くはエストロゲン活性を持っている。河川水の化学汚染・汚濁状況を簡便に検出する手法として、エストロゲンの標的タンパクである、卵膜タンパクのコリオゲンに注目した。われわれはすでに、コリオゲニンのプロモーター領域に続いて緑色蛍光を発するタンパク(Green fluorescence protein, GFP)の遺伝子を、メダカ受精卵に導入し、エストロゲン投与によって、肝臓が蛍光を発する系統を作製した(Ueno et al., Mechanism of Development 121:803-815,2004)。この系統のメダカを用いて、河川水中のエストロゲン活性を簡便に検索する手法を開発した。材料としては生殖腺が未分化な孵化直後の幼魚を用いた。飼育水中にエストロゲンの標準物質であるエストラジオールを溶かしたものを用い、エストロゲンへの曝露開始時期と曝露期間を変えることによって、検出感度の上昇を試みた。当初の検出感度である、100ng/litterから25ng/litterにすることができた。一般に下水処理後の放流水中のエストロゲン濃度は、最高でも10ng/litterのレベルであることが知られていることから、この検出系によってGFP陽性の結果が得られた場合は、汚濁の程度が極めて高いと云うことができる。
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