2006 Fiscal Year Annual Research Report
コフィリンホスファターゼSlingshotの活性化のシグナル伝達機構と細胞運動における役割
Project/Area Number |
04F04455
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 東北大学, 大学院生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Yan 東北大学, 大学院生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アクチン細胞骨格 / コフィリン / LIMキナーゼ / Slingshot / カルシニューリン / CAMK II / カルシウムシグナル |
Research Abstract |
コフィリンはアクチン線維の脱重合・切断因子としてアクチン細胞骨格の再構築を制御する重要な役割を担っており、コフィリンの活性制御機構の解明は細胞運動、細胞分裂などアクチン骨格の再構築の関与する多くの細胞活動の制御機構を理解するうえで必須である。コフィリンは、LIMキナーゼによってリン酸化、不活性化され、Slingshotによって脱リン酸化、活性化される。私達は、カルシウムシグナルの下流でカルシニューリンの活性化を介してSlingshotが活性化されることを報告した。本年度は、カルシウムイオノフォアA23187の濃度依存的なCaMキナーゼIIとカルシニューリンの活性化について検討した。高濃度のA23187刺激では、CaMキナーゼIIの一過的な活性上昇と、それに伴うLIMキナーゼの活性化とSlingshotの活性阻害が認められ、コフィリンのリン酸化レベルの上昇がみられた。刺激10分後にはCaMキナーゼIIの活性は低下し、LIMキナーゼの活性低下とコフィリンのリン酸化レベルの低下が認められた。一方、低濃度のA23187刺激では、10分後のCaMキナーゼIIの活性の低下はみられなかった。カルシニューリンはCaMキナーゼIIの活性を抑制し、Slingshotを活性化するので、CaMキナーゼIIとカルシニューリンの活性のバランスの変化が、LIMキナーゼとSlingshotの活性を変化させ、コフィリンのリン酸化レベルを時空間的に制御していることが示唆された。
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