2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネトビイロウンカにおけるバイオタイプの選抜と特徴解析
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04F04458
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 千春 神戸大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAEEMULLAH Muhammad 神戸大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / トビイロウンカ / バイオタイプ / 加害力 / 抵抗性 / DNA多型 |
Research Abstract |
作物を加害する害虫の防除には自然界に存在する抵抗性遺伝子の利用が望ましい。イネの重要害虫であるトビイロウンカ(BPH)に対する抵抗性遺伝子が、インドやスリランカなどの在来インディカイネ資源から見出されている。我々は、このうち2つのトビイロウンカ主働遺伝子、Bph1とBph2、について連鎖地図を作製し、マップベースドクローニングに向けた準備を整えた。一方、害虫防除で常に問題となる要因のひとつは新たな加害力を獲得したバイオタイプの出現による抵抗性の崩壊である。トビイロウンカについても、抵抗性遺伝子導入イネ系統を用いた継代チャレンジ飼育により、既に実験室レベルで新たな加害力を獲得したバイオタイプの出現を確認した。 本研究では、イネ第12染色体長腕の精密な連鎖地図上に位置を確定したBph1とBph2について、それらを個別に保有するイネ2系統と、マーカー選抜で作成した両抵抗性遺伝子同時導入イネ系統を選抜宿主としてバイオタイプの選抜を行うこと、およびそれらの加害力特性と抵抗性遺伝子との相互作用を明らかにすることを目的とする。 外国人特別研究員の来日(平成16年11月22日)から現在までの研究実績は以下のとおりである。 1.3系統のトビイロウンカ(66年鶴巻系統、89年熊本系統と99年長崎系統)を用いて、感受性イネ品種ツクシバレを対象に、複数の指標に基づき各系統の加害力検定を行った。 2.上記抵抗性遺伝子保有系統を対象とした加害力検定実験の準備をした。
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