2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネトビイロウンカにおけるバイオタイプの選抜と特徴解析
Project/Area Number |
04F04458
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 千春 神戸大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAEEMULLAH Muhammad 神戸大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / トビイロウンカ / 抵抗性 / 加害力 / バイオタイプ / DNA多型 / ビテロジェニン / COXI |
Research Abstract |
害虫防除で常に問題となる課題のひとつは新たな加害力を獲得したバイオタイプの出現による抵抗性の崩壊である。イネの重要害虫であるトビイロウンカ(BPH)についても、野外のみならず実験室での継代チャレンジ飼育によって抵抗性遺伝子導入イネ系統に対して新たな加害力を獲得したバイオタイプの出現が確認されている。本研究では、イネ第12染色体長腕上に位置する2つの抵抗性遺伝子Bph1とBph2について、それらの個別導入2系統、マーカー選抜で作成した両抵抗性遺伝子同時導入系統および感受性親系統を宿主に、4種類のバイオタイプを寄主に用いて、各バイオタイプの加害力特性と抵抗性遺伝子との相互作用を明らかにすることを目的とした。2年間の研究実績は以下のとおりである。 1)バイオタイプの性質付け 4系統のBPH(66年鶴巻系統、89年熊本系統と99年長崎系統、03年長崎系統)を用いて、感受性イネ品種ツクシバレ及び上記3種の抵抗性遺伝子導入系統を対象に、複数の指標に基づき各系統の加害力検定を行い、バイオタイプの特性を明らかにした。さらに個体別DNA抽出法を開発し、ミトコンドリアCox1遺伝子及びRAPDマーカーを用いて、バイオタイプ内およびバイオタイプ間の遺伝的多様性及び各バイオタイプの系統関係を明らかにした。(論文投稿中) 2)ビテロジェニン遺伝子(BPHVg)の単離 BPHからビテロジェニン(卵黄タンパク質ビテリンの前駆体)のコード遺伝子(cDNA全長)を単離し、配列情報に基づき不完全変態類におけるBPHの系統進化上の位置づけを行なった。(論文投稿準備中)
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