2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規リボソーム非依存型ペプチド合成酵素の構造・機能相関に関する研究
Project/Area Number |
04F04468
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森川 正章 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROONGSAWANG Niran 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バイオサーファクタント / リポペプチド / arthrofactin / NRPS / Pseudomonas / リボソーム非依存型 / エピメラーゼ / 遺伝子破壊 |
Research Abstract |
Pseudomonas sp.MIS38が生産する強力な微生物界面活性剤Arthrofactin(以下AF)はD型7残基を含む11残基(最多)のアミノ酸と炭素鎖長8〜12の直鎖脂肪酸からなる新規環状リポペプチドであり,植物病害微生物に対する抗菌活性など有効な生理活性も有する。既に,40kbからなるAF合成遺伝子クラスター(arfABC)の取得に成功し,その解析からリボソーム非依存型ペプチド合成酵素として従来にない特異な構造を有することを報告している。 目的) 本研究ではAF合成機構を遺伝子レベルで詳細に解析することにより,生物界においてセントラルドグマ(DNA-mRNA-タンパク質合成)と対峙するリボソーム非依存型ペプチド合成機構の多様性を明らかにすることを目的とする。 成果概要) 16年度はAF合成には必要であるがarfABCに含まれていない新規エピメラーゼ遺伝子をゲノムより探索した。類縁細菌のゲノム配列を詳細に解析した結果,エピメラーゼ(あるいはラセマーゼ)として機能する可能性のある機能未知のORF(open reading frame : AAG05812)を見出した。この遺伝子配列情報を基にPCRおよびサザン解析を行った結果,同遺伝子相当部分をMIS38からクローニングすることに成功した。現在,塩基配列決定および遺伝子構造解析を行っている。遺伝子構造解析によってエピメラーゼとして機能するのに充分なORFの存在が確認できた後にMIS38における同遺伝子領域の破壊実験を行う。続いて遺伝子破壊株が生産するリポペプチド(アルスロファクチン類似物)を逆相HPLCにより精製し,質量分析法とNMR法を用いた構造解析をおこなうことにより本遺伝子領域のAF合成に関する機能を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)