2005 Fiscal Year Annual Research Report
ネパールシワリク丘陵地帯の水系網構造と土砂動態特性の解析に基づく流出土砂量制禦手法に関する研究
Project/Area Number |
04F04472
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮崎 敏孝 信州大学, 農学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHRESTHA Madhusudan 信州大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | シワリク丘陵 / マハバラット山脈 / 地形学的要因 / 流域水系構造解析 / 洪水氾濫 |
Research Abstract |
毎年雨季に発生する豪雨に伴い、シワリク丘陵・マハバラット山脈地帯から大量の土砂が下流域のテライ沖積平野へ流れる河川に供給され、河床上昇に伴う水害が頻発する傾向にある。河床上昇に伴う洪水・氾濫によって穀倉地帯であるテライ平野での生産量の低下および地域住民に大きな被害をもたらしている。この地帯における、土砂動態・洪水被害の形態を把握するために、主な土砂供給地帯であると考えられるシワリク丘陵・マハバラット山脈の水系構造解析を行った。地質・地形が大きく異なるこの二つの地帯の水系構造解析によりこれらの地帯の土砂動態の形態と地形、地質特性との因果関係を明らかにすることが本研究の目的である。 本研究では、シワリク、マハバラット地帯の各流域の水流頻度、平均流路長、平均流域面積、平均起伏量、平均面積-高度曲線のパラメターを、1/25,000の地形図と30mDEMから計測し、これらのパラメータを用いて、分岐比、流路比、流域面積比、起伏量比、谷密度およびストリムパワーを算出する。つぎに、1988、1999、2000と2003年の衛星画像を用いて、研究対象流域における地表被覆分類の解析を行い、地形特性と氾濫源・荒廃地の発達との関係も検討する。地表被覆分類については、現地踏査および空中写真を用いて、グランドトルースを行った。これらの一連の作業を通し、シワリク、マハバラット地帯における土砂動態を明らかにし、穀倉地帯であるテライ沖積平野への土砂供給形態について検討する。 つまり、本研究では、地質、地形、気象及びGIS・RSデータを総合的に用いて、土砂生産・供給地帯であるシワリク丘陵、マハバラット山脈地帯と土砂災害を受けているテライ沖積平野での土砂災害の軽減策を提言することが目標である。 研究成果は"International Symposium on Landslide Hazards in Orogenic Zones, from the Himalayas to Island Arcs in Asia, Kathmandu, Nepal"および"International Symposium on Fluvial and Coastal Disasters-Coping with Extreme Events and Regional Diversity-, Kyoto University (DPRI), Japan"の国際シンポジウム論文集に採択され、口頭発表した。また、砂防学会誌(投稿中)および砂防国際シンポジウムへの参加、投稿・発表を申し込んでいる。
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