2005 Fiscal Year Annual Research Report
防腐処理木材中の重金属により汚染された環境の新規浄化技術の開発
Project/Area Number |
04F04474
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畑 俊充 京都大学, 生存圏研究所, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOLLINENI Tarakanadha 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ウッドバイオマス / 木質廃棄物 / CCA(胴・クロム・ヒ素) / 保存処理木材 / リサイクル |
Research Abstract |
有害金属を含み、廃棄が困難な保存処理木材の、適正な廃棄・リサイクル技術を行うための調査および研究用試料の作製を行った。受入研究者らが開発したゾディウムオキサレート処理(BOプロセス、pH=1.0〜4.0の範囲においてシュウ酸ナトリウム水溶液で湿式抽出を行う方法)、腐朽菌による処理、キレートエージェントを用いた処理、熱分解処理およびホウ素化合物処理のそれぞれの方法の経済性・抽出率・抽出速度・副作用等を比較・検討を行った。その結果、BOプロセスによる抽出方法がもっとも適当と考えられた。 保存処理木材をBOプロセスにより処理した抽出液からヒ素を選択的かつ効果的に除去する手法の確立を目指した。また、ヒ素や重金属によって汚染された土壌の浄化を行うために、汚染土壌から植物をつかってヒ素や重金属を含む水のポンプアップを行い、植物の根と汚染土壌との間に設置したメソポーラス材料を組み込んだフィルターによって浄化するという、これまで誰も試みたことのなかった画期的な手法についても検証を行った。 本実験システムは三つの部分からなる。最下部は酸化アルミニウム粒体の層からなる。中間層は酸化マンガンからなり、この部分が主としてヒ素化合物を吸着する。上部層は海砂からなりこの部分に植物が植えられており、この植物が水を吸い上げる力がことにより下部層の水溶液中に含まれているヒ素化合物をマンガン酸化物へ移行させる駆動力となっている。予備的検討から溶液中のヒ素濃度が低下し、マンガン酸化物層部分でヒ素が吸着されることを確認した。 本研究成果は、廃棄保存処理木材処理から発生する高濃度砒素および重金属を含んだ抽出液の無害化に関する基盤技術を確立する上できわめて重要である。将来、安全・安心な生活圏を確立するための第一歩となるであろう。
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Research Products
(4 results)