2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体内フリーラジカル画像解析を目的とした新規画像再構成アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
04F04489
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内海 英雄 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AMIRTHAM Milton Franklin Benial 九州大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | フリーラジカル / 磁気共鳴 / 画像化 / OMRI / PEDRI |
Research Abstract |
多くの疾患の成因・進展に活性酸素・フリーラジカルが関与することが示唆されている。この活性酸素・フリーラジカルが生体のどこで・いつ・どのような機序で・どの程度産生しているかを病態モデルで画像解析するシステムを開発することができれば、生活習慣病をはじめとする多くの酸化ストレス性疾患の病態解明に大きく寄与すると考えられる。そこで本研究では、核と電子の二重共鳴現象を物理化学的に解析し、生体内フリーラジカル画像解析に最適な測定条件を検討すると共に、電子スピン共鳴(ESR)装置及び核・電子の二重共鳴に基づく画像化装置(オーバーハウザーMRI,OMRIまたはPEDRI)を用い、新規画像再構成アルゴリズムを構築することを目的とした。 動的核偏極の増強因子は、ニトロキシルプローブ濃度の増加に伴って増加したが、3mM以上では減少し、ESR線幅の広大が生じる濃度と一致していた。次に、ESRマイクロ波照射時間の関数として増強因子をカーブフィットすることで求めたプロトン核スピン-格子緩和時間(T1)を用いて、種々の縦緩和パラメータを算出した。leakage factorはプローブ剤濃度の増加により漸近的に増加した。また、^<14>N標識ニトロキシルプローブと^<15>N標識ニトロキシルプローブとの結合パラメータは、電子スピンと核スピンとの相互作用を示し、主に双極子作用に起因することを明らかにした。さらに、ニトロキシルプローブのメチル基の重水素置換により、^<15>N標識プローブ、^<14>N標識プローブの増強因子は各々70%、40%増強することを明らかにした。 本年度に得られた結果は、動的核偏極の増強因子を決定する各因子について更なる理解を与えるものであり、OMRIを用いた同時分子イメージングの最適条件を設計するための有用な知見であると考えられる。
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