2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体内フリーラジカル画像解析を目的とした新規画像再構成アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
04F04489
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内海 英雄 九州大学, 大学院薬学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AMIRTHAM Milton Franklin Benial 九州大学, 大学院薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 生体レドックス / レドックス / フリーラジカル / 磁気共鳴 / 画像化 / OMRI / PEDRI |
Research Abstract |
生体酸化還元系、あるいは活性酸素・フリーラジカルなどから構成される生体レドックスは、多くの疾患の成因・進展に関与することが示唆されている。従って、この生体レドックス変動が生体のどこで・いつ・どのような機序で・どの程度生じているかを、病態モデルで画像解析するシステムを開発することができれば、生活習慣病をはじめとする多くの生体レドックス異状に起因する疾患の解明と創薬に大きく寄与すると考えられる。ニトロキシルラジカルは常磁性分子であり、生体レドックスへの反応性が高いことから、病態解析へ用いられてきた。本研究では、核・電子間相互作用を物理化学的に解析し、ニトロキシルラジカルを用いた生体レドックス画像解析に最適な測定条件を検討すると共に、電子スピン共鳴(ESR)装置及び核・電子の二重共鳴に基づく画像化装置(オーバーハウザーMRI, OMRIまたはPEDRI)を用い、新規画像再構成アルゴリズムを構築することを目的とした。 前年度の動的核偏極の増強度と濃度、照射電力・時間などの研究成果を踏まえ、更に生体における影響因子を解析した。生体に投与した造影剤プローブは、異なる粘度(膜流動性等)を有する環境に分布し、それらが動的核偏極に影響を与えることから、粘性が動的核偏極に及ぼす影響を物理化学的に解析した。ファントム実験では、グリセロール濃度に依存して、動的核偏極が変化した。また、ニトロキシルラジカル含有リポソームを用いた実験においては、ESRスペクトルからリポソーム膜中に含まれていると考えられるESR吸収域を選択励起することにより、リポソーム膜中のニトロキシルラジカルに由来するOMRI画像の撮像に成功した。 本年度に得られた結果は、生体における動的核偏極の増強因子を決定する各因子の理解を深めるものであり、OMRIを用いた同時分子イメージングの最適条件設計に有用な知見と考えられる。
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Research Products
(1 results)