2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04495
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SOKOLOVSKAYA A.Alisa 札幌医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / Fas / プロテオミクス / TNF / アポトーシス |
Research Abstract |
平成17年4月から平成18年3月までの概要である。この期間には、主に以下の二点に関して研究を進めた。 (1)新規のストレス蛋白質DNAJB8を用いた細胞増殖、細胞死の制御機構の解析 HSP40(Heat shock protein 40)ファミリー分子のひとつである新規の分子、DNAJB8が子宮癌細胞株HeLa細胞の増殖を強く抑えることを明らかとした。組織発現解析では、DNAJB8は正常組織では精巣のみに発現し、他の臓器には一切発現を認めないが、一部の脳腫瘍など悪性腫瘍組織での発現は認めることがわかった。さらに、DNAJB8の細胞内局在が主に細胞質であること、DNAJB8が非常に強力にHSP70と細胞内で結合していることを明らかにした。 現在、悪性腫瘍細胞株を用いた細胞死制御分子機構におけるDNAJB8の役割解析と抗体作成を行っている。 (2)腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor, TNF)経路の細胞死制御機構の解析 TUCAN-54は腫瘍化などを含めたある種のストレス下でのみ発現する新規の分子であるが、本研究期間内で、TNF誘導性アポトーシスが、TUCAN-54の高発現により抑制されることをはじめて明らかにした。現在、この分子機構の解析のために、安定遺伝子発現細胞株の樹立を行い、数クローンがとれてきている。一方、プロテオミクスの手法なども用い、TUCAN-54と結合するTNFシグナル伝達分子を1つ同定している。
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