2005 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞白血病ウイルス関連ミエロパチーの発症を規定する宿主要因と病態の解明に関する研究
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04F04498
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Research Institution | Kagoshima University |
Host Researcher |
納 光弘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
SABOURI Amir Hossein 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | HTLV-I / HAM / TSP / Tax / 転写活性化 / 分子系統樹 |
Research Abstract |
HLA-DRB1^*0101が鹿児島、イラン双方において無症候性キャリアー(HC)群よりHAM患者群で高頻度であり、共通のHAM発症促進因子であることを報告した。一方、日本人、イラン人に感染しているHTLV-I株の塩基配列を解析した結果、イラン株Taxの塩基配列は以前HAMになりやすい株として報告した鹿児島のTax subgroup Aと共通の4つの塩基置換(2アミノ酸変異を伴う)に加え6つの塩基置換(4アミノ酸変異を伴う)を持っており、共にHTLV-IのCosmopolitan A groupに属するものの異なったSubgroupを形成していた。イラン株Tax、鹿児島株Tax subgroup A, B株の発現ベクターを構築してluciferase assayを行い転写活性化能を比較したが、LTRおよびNFκBプロモーターに対する転写活性化能に差は認められなかった。興味深いことに、イラン株Rexフレームの終止コドン部位には、7811のAがGに置換することによりstop codon(TGA)がTrpをコードするTGGとなり、以降フレームがずれてC末に20アミノ酸長いRexをコードすることを見いだした。各Rexの機能の相違について解析中である。さらに、HAM発症に関与する非HLA因子として、IL-10-592A/C SNPがHAM発症とHCにおける低プロウイルス量の双方と関連することを報告したが、IL-10により制御を受けるT細胞上の共刺激分子の発現量について、HTLV-1感染者ではCD8陽性T細胞における共刺激分子の発現が低下しており、特にCD8+CD28-細胞はHAM患者でHCより有意に低かった。CD8+CD28-細胞中にはHTLV-1特異的CTLが含まれ、フェノタイプ、サイトカイン産生能、細胞障害活性においてHAMとHCとで機能的な差を認め、共刺激分子の発現が減弱することがT細胞のTCRシグナル伝達に影響を与え、HAM発症に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)