2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04536
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
森口 卓哉 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・生理機能部, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANG Xiaoming 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・生理機能部, 外国人特別研究員
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Keywords | ポリアミン / 塩ストレス / エチレン / リンゴ / 1-MCP / 日持ち性 / 競合関係 |
Research Abstract |
1.Na^+/H^+アンチポーター(NHX)およびsalt overly sensitive 2(SOS2)遺伝子の塩基配列情報を基にプライマーを設計して、培養しているリンゴからRT-PCRにより本遺伝子の断片をクローニングすることに成功した。スペルミジン合成酵素(SPDS)遺伝子の導入により塩ストレスに強くなっているセイヨウナシ組換え体と非組換え体におけるNHXとSOS2遺伝子の発現解析を行ったが有意な発現の差異は認められなかった。そこで、セイヨウナシ組換え体においてはどのような遺伝子が特異的に誘導されているかを明らかにするために、非組換え体との間でサブトラクション法を実施する予定である。 2.上記実験と平行して、リンゴ果実におけるエチレンとポリアミンの関係を調査した。一般的にエチレン果実の成熟・老化を促進し、ポリアミンは反対の生理作用を有すると考えられている。しかも両合成経路はS-adenosylmethionine(SAM)を介して繋がっているため、SAMがACC合成酵素によりACCの方向(エチレン発生)に進むのか、あるいはSAM脱炭酸酵素により脱炭酸型SAMの方向(ポリアミン合成)に進むかにより果実の成熟・老化が促進または抑制されると考えられている。そこで、1-メチルシクロプロペン(エチレンシグナル伝達阻害剤;1-MCP)を処理してエチレン生合成を遮断した時の果実の日持ち性、エチレンおよびポリアミン生合成系酵素遺伝子の発現解析、酵素活性などを解析した結果、明確なポリアミンとエチレンの生合成経路の競合関係を示す結果は得られなかった。現在、本結果を取り纏めている。さらに競合関係の有無を確認するために、SAM脱炭酸酵素の阻害剤であるメチルグリオキサルビス(グアニルヒドラゾン)(MGBG)を用いて、ポリアミン生合成経路を遮断した時の果実の日持ち性、エチレン生成、ポリアミン代謝経路の変化などについて解析している。
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