2006 Fiscal Year Annual Research Report
反すう家畜からの温室効果ガス(メタン)排出量の推定と制御に関する研究
Project/Area Number |
04F04544
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
永西 修 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・畜産温暖化研究チーム, チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAGHAVENDRA Bhatta 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・畜産温暖化研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | メタン / ルーメン / インビトロ / 飼料 |
Research Abstract |
今年度は反すう家畜からのメタン産生量の抑制技術として、天然物質で安価に入手な可能なタンニンに着目した。まず、市販の6種類のタンニンを用いてインビトロガス培養試験法で飼料へのタンニンの添加がメタン産生量に及ぼす影響を調べた。さらに0、2.5、5%添加し、メタン産生量の抑制効果、飼料採食量、増体量、消化率への影響を調べた。 その結果、飼料へのタンニン添加によりメタン産生量が抑制されたが、これはメタンを産生するメタン細菌数の減少が主な原因であることが明らかとなった。また、加水分解型タンニンに比べ、縮合型タンニンでメタン産生抑制効果が高いことが示された。また、山羊の給与飼料中へタンニンを2.5%添加することによりメタン産生量は12%減少したが、飼料摂取量、増体量、飼料の消化率に影響は及ぼさなかった。一方、5%タンニンの添加によりメタン産生量は24%減少したが、飼料摂取量、増体量、飼料の消化率も有意に低下した。そのため、2.5%飼料にタンニンを添加することで、生産性を落とすことなくメタン抑制が可能であることが示された。 昨年度までの「反すう家畜からのメタン産生量の簡易測定法の確立」の成果と併せて、本研究で得られた成果は、わが国だけではなく多様な飼料により反すう家畜が多く飼育されているアジア地域でのメタンインベントリの精度向上と実用性の高いメタン産生抑制を可能とする。
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