2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04565
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤嶋 昭 (財)神奈川科学技術アカデミー, 光科学重点研究室, 理事長兼室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIN MING (財)神奈川科学技術アカデミー, 光科学重点研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / ゴムの劣化 / TiO_2コーティング |
Research Abstract |
【研究テーマ】SiO_2-TiO_2コーティングによるゴムの表面改質 天然ゴムは広く一般的に使用されているが、その欠点として劣化の問題がある。その劣化の主要因は紫外線によるものであり、そのゴム表面に酸化チタン光触媒をコーティングすることにより、ゴムの劣化を抑制し、また光触媒の機能であるセルフクリーニング性を付与することが本研究の目的である。 TiO_2光触媒を直接ゴム表面にコーティングすると、逆に光触媒の酸化分解機能によりゴムを劣化させてしまうことになる。従って、ゴム表面へのコーティング構造としては、ゴム表面にまずSiO_2薄膜を形成し、その上にTiO_2薄膜を形成させた構造体とした。 当構造体の作製方法として、まずゴム表面にオゾン5ppmを含む紫外線(UV/O_3)を照射し表面を清浄化および高親水性化し、TEOS(テトラエトキシシラン)を用いて80℃でCVD法によりコーティングした。更にUV/O_3を照射しTEOSを光酸化させてSiO_2の薄膜を作製した。次に0.1Mのアンモニウムヘキサフルルチタネートおよび0.3Mのホウ酸の水溶液中、pH2.8の条件下で混合(液相堆積法)することにより、TiO_2をゴム表面に堆積コーティングした。 得られたSiO_2-TiO_2コーティング膜はSEM、XRD分析およびXPS分析により、TiO_2粒子70〜80nmおよびアナターゼ型TiO_2であることが確認された。また、UV-可視分光スペクトル分析により、可視光領域ではTiO_2による反射が増大することが見られ、UV領域ではTiO_2の吸収により反射は減少していることが解った。 また、得られたSiO_2-TiO_2コーティング膜の光触媒機能の評価について、メチレンブルーの光分解法で664nmの吸収バンドでの定量分析により、光触媒機能は十分発揮できていることが解った。 しかし、劣化についての評価については、キセノンウェザオメーターを使用して促進耐候試験を行い、引張り試験によるゴムの伸び率を測定することによってゴムの劣化状態を評価した結果、ゴム単体の場合と比較してSiO_2-TiO_2コーティングゴムは若干の劣化に対する改善は見られたが、実用レベルには至らず、今後更なる研究が必要である。
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