2005 Fiscal Year Annual Research Report
液体中でのパルスレーザーアブレーションによる可視光作動ナノ光触媒の開発
Project/Area Number |
04F04568
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 毅 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Chun 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 液相レーザーアブレーション / 酸化亜鉛 / ナノ粒子 / 光学特性 |
Research Abstract |
光触媒として利用できる酸化亜鉛ナノ粒子について、界面活性剤が酸化亜鉛ナノ粒子の光学特性におよぼす効果についても検討した。陽イオン界面活性剤であるセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)水溶液中で亜鉛金属板をレーザーアブレーションすると非常に小さな酸化亜鉛ナノ微粒子が形成され、得られたナノ粒子の分散した溶液を熟成させると、紡錘状の酸化亜鉛凝集体が形成されることを見出した。紡錘状の酸化亜鉛凝集体の蛍光特性を評価すると、強い紫外発光を示し緑色発光はCTABの存在下での熟成過程によって抑制されていた。 また、通常、酸化チタンなどの光触媒粉末では表面上に白金などの貴金属ナノ粒子を担持して、その触媒活性の向上が図られている。ナノメートルオーダーのサイズを持つナノ光触媒についても同様な効果を利用するためには、担持する貴金属ナノ粒子のサイズを極めて小さくする必要がある。このような貴金属の極微ナノ粒子の形成を試みる実験において、銀板をCTAB水溶液中でレーザーアブレーションすると、極めてユニークな新規な臭化銀を基にした層状二次元有機/無機ナノシートが形成されることを発見した。得られる層状ナノシートの層間隔は20.16Åで、臭化銀の無機層の間にセチルトリメチルアンモニウムイオンがインターカレーとされた構造を有しているものと推察される。このような層状二次元有機/無機複合体ナノシートは水溶液中のCTABの濃度が臨界ミセル濃度以上の場合に形成された。詳細な解析を通じて、アブレーションによって形成された銀と溶液中の臭化物イオンとの反応によって陰電荷をもつ臭化銀がまず形成され、これが陽電荷を持つセチルトリメチルアンモニウムイオンとの電荷マッチングによる自己組織化を経てナノシートが形成される機構を提案した。
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