2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノアーキテクトニクスのためのナノコンポジット基板の調製
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04F04569
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
越崎 直人 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 研究チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Dae-Gun 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノコンポジット / 分子誘導 / Voronoi解析 / 粒子間距離 / 金ナノ粒子 / 絶縁性 |
Research Abstract |
金はAu-S結合により有機分子と化学結合を形成することができる元素であり、これを利用して走査型プローブ顕微鏡を使って金薄膜上に固定された分子の電気伝導度測定が行われてきている。また、様々な方法で調製されたナノギャップ電極も分子電導測定に使われてきているが、10ミクロン以下のナノギャップを作製することは容易ではない。数ナノメーターのギャップが単純な手法で得られれば、分子電導測定に極めて有効であると期待される。金ナノ粒子がシリカマトリックスの中に埋め込まれた構造のナノコンポジット単層薄膜はその可能性をもつ材料である。要求される性能としては、金の含有量が大きく、全体としては絶縁性で、数ナノメーター以下の金粒子間距離を持ち、平滑であり、金表面は分子を化学結合するために外界に露出しているなどがあげられる。 本研究では同時スパッタ法によりAu/SiO_2ナノコンポジット薄膜を作製し、その構造評価を行うことで分子電導測定用基板としての応用の可能性について検討した。これまでにAuの含有量が50%程度で粒子サイズが8nm程度のAu/SiO_2ナノコンポジット薄膜を作製し、その平滑性、膜全体の絶縁性を確認してきた。また、金ナノ粒子同士の位置関係を統計的に解析するためにVoronoi解析法を導入し、金同士のつながり関係や粒子間距離の分布などを統計的に解析する手法を開発した。これにより、一定長さをもつ導電性分子が粒子間を橋掛けすることにより導電パスがどのように形成され、実際の導電性測定が十分可能であることを検証した。現在、これを使って実際に電導測定の実験を進めているところであり、また表面増強ラマン分光法を利用した単一分子検出用基板としての可能性についても検討を進めている。特許出願1件、論文投稿中1件、投稿準備中4件である。
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