2005 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学法とイオン交換法の組み合わせによる特定の希土類元素の高度分離に関する研究
Project/Area Number |
04F04571
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Research Institution | Institute of Research and Innovation |
Principal Investigator |
倉岡 悦周 (財)産業創造研究所, 原子力化学工学センター・化学工学系・部長, 主席研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JELINEK Ludek (財)産業創造研究所, 原子力化学工学センター, 外国人特別研究員・客員研究員
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Keywords | 希土類元素 / ユウロピウム / セリウム / 電気分解 / 原子価調整 / イオン交換分離 |
Research Abstract |
希土類は先端産業に欠かせない重要な金属原料であり、溶液中では通常III価の酸化状態で存在する希土類同士の相互分離が極めて困難である。本研究では、Ce(IV)、Eu(II)のような特異な酸化状態に着目し、電解法とイオン交換法の組合せによりCeやEuを他の希土類から高度に分離回収する技術開発を行っている。本年度の主な研究実績は次のとおりである。 1)電解で調製した塩酸溶液中のEu(II)のカチオン交換、アニオン交換特性を測定し、吸着挙動の酸濃度や温度依存性を把握した。 2)イオン交換カラムによるEu(II)とSm(III)やGd(III)などの相隣希土類との分離挙動を調べ、特定のイオン交換体および低温・高流速によるEu(II)の分離条件を見出し、高純度Euを回収できる見通しが得られた。 3)サイクリックボルタンメトリーによる硫酸溶液中のCe(IV)/Ce(III)のRedox反応機構を測定し、プロトン濃度、硫酸イオン濃度とRedox電位、反応速度との関係を解明した。 4)硫酸、硝酸溶液におけるCe(III)→Ce(IV)の電解酸化試験を実施し、酸濃度、塩濃度、温度、流速等の影響評価および酸化反応機構・速度の解析を行った。硝酸溶液中では、Ce(III)およびCe(IV)の溶解度が大きく、約1mol/Lまでの高濃度Ce(III)溶液を効率良く電解酸化できることが認められた。 5)電解で調製した硫酸、硝酸溶液中のCe(IV)のカチオン交換およびアニオン交換特性を調べ、スルファトおよびニトラト錯体の生成挙動とイオン交換吸着メカニズムとの関係を解明した。 イオン交換カラムによるCe(IV)とLa(III)やPr(III)などの相隣希土類との分離挙動を調べ、硝酸濃度2-6mol/Lの溶液においてCe(IV)の高い吸着選択性により他のIII価希土類と良好に分離できることが認められた。
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