2004 Fiscal Year Annual Research Report
生殖腺凍結保存による配偶子回収に関する病理学的・免疫学的検討
Project/Area Number |
04F04604
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 雄二 大阪大学, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KHAN Md Abu Hadi Noor Ali 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 性腺凍結保存 / 休止期 / 人工遺伝子 / 性腺抑制 / DNAワクチン |
Research Abstract |
性腺凍結保存に際しては、すでに様々な報告がなされている。性腺が抗癌剤・放射線などのダメージを受ける時期になるべく性腺を休止期に置いた方がその障害が少ないことは知られているが、保存に際し性腺を休止期に置く方がよいかについてはまだ解明されていない。そこで、我々はまず性腺を安定して休止期にとどめるために、その内分泌環境を変化させることを試みた。性腺刺激ホルモンを抑制するためには従来GnRHアゴニスト・アンタゴニストといったペプチド誘導体が開発されてきた。しかし、GnRHに対する受容体は悪性腫瘍にも存在し、これらのペプチド誘導体が腫瘍の増殖を促進させる可能性が危惧されてきた。そこで我々はGnRHを遺伝子工学的手法をもちいて、抗原性のあるペプチド(破傷風毒素、ラウス肉腫ウイルス、麻疹ウイルスなどから選択した)にヒンジ構造を介して結合し、多量体としたものに、さらにGnRHのリーダーシークエンスを付加した人工遺伝子を考案した。まず、全自動DNA合成装置を用いて作成した一部に相補的塩基対を有する、60〜70塩基よりなるセンス・アンチセンスオリゴヌクレオチドを重合させ、耐熱性DNAポリメラーゼを用いたプライマー伸長法にて2本鎖DNAを作成する。この5つのDNA断片をプラスミドに組み込み、塩基配列確認の後再度ライゲーションを順次行い、GnRH配列を5回タンデムに有する人工遺伝子を作成する。この人工遺伝子を強制発現ベクターに導入し、DNAワクチンとして性腺抑制を行うことができるか、およびその抑制した性腺の凍結保存の効率について今後実験を重ねる予定である。
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