2004 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける漢字及び漢字文化の受容・変容についての研究-ベトナムと日本の比較
Project/Area Number |
04F04657
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
三尾 裕子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LA Hnag Minh 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 字体 / 訓読 / 部 / 門 / 文字注記 / 易林本 |
Research Abstract |
La, Hnag Minhは、ベトナムにおけるチュノムの構造分析に関して先進的な研究を行ってきた。また、三尾は、ベトナムにおけるキン族化した中国系の人々が建てた碑文に見られるチュノム使用について、研究を行っている。本研究では、このような基礎を踏まえ、日本における漢字の受容、漢字及び国字の事態形成、字体の規範化などを研究し、ベトナムと日本における漢字受容の比較研究を行うことが目的である。 その第一段階として、今年度は、まず『易林本』に関する資料の収集を第一目的とした。このため、『易林本節用集漢字語彙索引』、『音韻史、文字史』、『日本語の歴史、八巻』、また「古本節用集」諸版、古本節用集に関する研究資料などを収集した。 一方、2月28日から北海道大学に白井純助手と池田証寿教授とを訪問し、易林本節用集についての研究に関して意見交換を行い、あわせて研究資料をコピーした。この他、東京学芸大学の高橋久子助教授とも頻繁に共同研究を行い、様々なコメントを受けて研究資料の収集、研究方法の精微化につとめた。 上記の活動の結果、今年度の研究を踏まえ、今後の研究の方向性を以下のように設定することとした。 今回の研究テーマは『易林本節用集の編纂資料について-天正十八年本節用集との関係』である。 具体的には、主な内容は下の三つの部分に分かれる。 1.易林本と天正十八年本の本文紹介 2.両者における伊部と為部の区別 3.易林本と天正十八年本における部、門対照
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