2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04660
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
魚住 信之 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Liyan 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | Shaker / 糖鎖修飾 / 膜挿入 / 膜配向性 / KAT1 / チャネル / 膜電位 / イオン選択孔 |
Research Abstract |
膜電位依存性イオンチャネルは膜電位センサーとして機能する膜貫通領域をもつ。この領域は親水性の領域であるが、疎水性の生体膜に挿入される。本研究では、最も研究されているショウジョウバエのK^+チャネル(Shaker)を研究対象に生体膜への挿入機構を解析した。 ShakerチャネルのS1-S6までの膜貫通領域の配向性を試験管内転写・翻訳系とイヌの小胞体膜を用いて行う。植物Kチャネルの膜への挿入機構の実験で使用したプラスミド(N型糖鎖部位や膜貫通領域に融合するレポーター蛋白質)を利用して、プラスミド構築を行った。Shakerチャネルと植物のK^+チャネル(KAT1)とのアミノ酸の相同性は比較的低いが膜貫通構造は同じであることから、各膜貫通部位の配向性は異なることが予想される。異なった場合はお互いのアミノ酸の配列の相違と特徴から配向性を決定する要因について変異蛋白質を作成して解析した。膜電位センサーを形成するS3とS4の生体膜の挿入においてS1とS2の関与があることが分かった。特に、S2には負電荷のアミノ酸がS4の陽電荷のアミノ酸と塩橋を形成して生体膜へ挿入する可能性が考えた。また、C末領域のS5-P-S6は、イオンイオン透過孔であり、これらの膜貫通構造についても上記と同様の方法で膜配向性について調べたところ、S5-P-S6のみで膜への挿入が完結できることが分かった。この結果、植物のKチャネルと比較して膜電位センサー以外の膜貫通領域の挿入機構は同様であり、膜電位センサーを形成する第3番目の膜貫通領域は自律的に膜へ挿入することが明らかとなった。
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