2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージングを用いた脳発達障害の分子神経メカニズムの解明
Project/Area Number |
04F04682
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
渡辺 恭良 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI QINGHUA 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ドーパミン神経系 / 脳発達障害 / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
中枢神経系の各レベルで、その機能の成熟、シナプス形成に関与しているモノアミン神経系は、その早期の障害が自閉症、注意欠陥多動性障害など脳発達障害の主な原因と考えられながら、その分子神経メカニズムは未だに解明されてない。ドーパミン神経系異常が脳発達に及す影響を明らかにするため、新生仔期ドーパミン神経破壊ラットを用いた研究を進めてきた。 1.新生仔期ドーパミン神経破壊モデルラットの作製 生後直後のドーパミン神経毒(6-hydroxydopamine)投与によって新生仔期ドーパミン神経破壊-ドーパミン低下モデルを作製し、中脳黒質でのドーパミン神経細胞の顕著な減少及びドーパミン神経投射部位である線条体のドーパミン神経繊維の脱落を確認した。 2.新生仔期ドーパミン神経破壊モデルラットにおけるタンパクと遺伝子発現の変化 新生仔期ドーパミン神経破壊-ドーパミン低下モデルラットでは、いろんな脳発達関連分子の遺伝子及びタンパクレベルでの発現に変化があることが想定できる。二次元電気泳動を用いて脳の大脳皮質、線条体、海馬、中脳、脳幹や小脳など各領域のタンパク質の発現の変化を網羅的に調べたところ、幾つかの分子が変化していることがわかってきた。また、二次元電気泳動から得られた分子を質量分析装置で同定を行った結果、新生仔期ドーパミン神経破壊ラットで、小胞体分子シャペロンの一つであるERp57のリン酸化が起きていることを突き止めており、ドーパミン神経死のメカニズムの解明などに新しい手掛かりを提示するものと思われる。
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