2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成における軸索ガイダンス制御に関与する分子機構の同定
Project/Area Number |
04F04712
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成宮 周 京都大学, 医学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MONYPENNY JAMES EDWARD 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 軸索ガイダンス / 走化性 / 細胞遊走 / Rho / RNA干渉法 / 初代培養 / 小脳下流細胞 / 胎児線維芽細胞 |
Research Abstract |
マウスの小脳顆粒細胞と胎児線維芽細胞の初代培養手法を樹立した。単層培養グリア細胞上での小脳顆粒細胞の培養とともに、2次元ないし3次元における小脳顆粒細胞の分散培養や凝集培養での細胞動態が検討された。小脳顆粒細胞は分散培養では、運動性に富むが、軸索伸長はほとんど観られなかった。グリア細胞上の培養では、神経突起伸長が進んだが、グリア細胞の運動が解析を困難にした。反して、小脳顆粒細胞の凝集からの培養では、著明な神経突起伸長が観られた。よって、引き続き解析に用いた。3次元のコラーゲンゲル内の培養でも2次元のガラス上の培養でも、印象的な神経突起伸長が観られたが、蛍光顕微鏡での観察に適した後者を選択した。高密度培養で、個別の細胞を観察するための色素標識の手法を樹立した。この凝集培養は既存の走化性解析用のチャンバーには適さないため、そのためのチャンバーを開発した。また最近、通常の線維芽細胞を用いて、Cdc42とその標的蛋白質mDia3のRNA干渉法によるノックダウンの手法を確立した。このRNA干渉法を小脳顆粒細胞に導入し、これらの分子の神経突起伸展やガイダンスに果たす役割を調べる予定である。この研究における主たる目的は、線維芽細胞の走化性に必要な分子が神経の遊走、突起伸展にも重要かを検討することである。改良された走化性チャンバーを用い、PDGF-BBによる胎児線維芽細胞の遊走のための条件を最適化した。このシステムを用い、G蛋白質Rhoやそのエフェクターの線維芽細胞の遊走での役割を調べ、その結果を小脳顆粒細胞での役割と比較する予定である。
|