2004 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データと地上観測データの併用による,地表・大気パラメータの地球温暖化傾向の調査・研究
Project/Area Number |
04F04717
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Research Institution | Chiba University |
Host Researcher |
高村 民雄 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授
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Foreign Research Fellow |
DIM Jules Rostand 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 雲の光学的厚さ / 気候変動 |
Research Abstract |
本研究は,GMS-5(ひまわり5号)を主として利用し,1996年以降の東アジア域を中心とした下記の物理情報を高精度に求め,温暖化傾向の兆候を調査研究しようとするものである: (1)旬平均毎の地表輝度温度の経年変化(快晴日対応) (2)旬平均の雲パラメータ(雲量,雲頂輝度温度,光学的厚さ)の経年変化とISCCPデータ,GMSデータとの比較 (3)NOAAによる日射量推定(瞬時値)とGMS推定日射量の推定 この目的に沿って,平成16年度は以下の研究を行った. 温暖化傾向の調査には信頼度の高いアルゴリズムが必要である.このため温暖化に敏感に反応する雲の消長とその光学パラメータ(有効粒径,光学的厚さ)について,精度検証を行った.雲はその変動が激しくまたlocalityも強いことから,衛星データと地上観測を比較することは容易でない.本研究では,この地上検証と他衛星(MODIS/TERRA)との比較により詳細検討を行った.その結果,以下のことが明らかとなった: (1)GMSから推定される曇天時日射量は,計測値に対して過大評価傾向が強く,厚い雲ほどこの傾向がある.これは,雲の光学的厚さの推定に主たる原因がある. (2)MODIS/TERRAによる同一視野での比較の結果,これはGMS-5センサー自身の感度劣化と量子化誤差によるもの,GMS-5の推定アルゴリズム自身によるもの,雲の非均質的な性質によるものに分けることが出来た. (3)GMS推定アルゴリズムでは,有効粒径の仮定に問題のあることが明らかとなり,また雲の非均質の効果もケースによって影響を与えていることが示唆された.
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Research Products
(3 results)