2005 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データと地上観測データの併用による,地表・大気パラメータの地球温暖化傾向の調査・研究
Project/Area Number |
04F04717
|
Research Institution | Chiba University |
Host Researcher |
高村 民雄 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授
|
Foreign Research Fellow |
DIM Jules Rostand 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | cloud optical thickness / validation / imhomogeneity / GMS-5 satellite / MODIS satellite / radiation budget |
Research Abstract |
気候変化をモニターする大気パラメータの内,特に地球受熱の観点から最も重要なものは,雲の光学的厚さである.これを精度良く経年的に調査することが気候変動調査に必須であり,既にISCCP等で開始されている.一方,宇宙から多様な衛星が既に観測を行っており,それぞれ固有のプロダクトを生成している. 本研究は,地球温暖化に伴う地表・大気パラメータを衛星データを用いて高精度に調査しようとするものである.これまでの研究で,経年変化の調査を行う場合の幾つかの問題点が明らかとなり,本年度はこれらを解決することを中心とした. エネルギー収支評価には静止衛星が最適であり,一方雲の多様な物理状態を精査するには多チャンネル・高分解能センサーを持つ軌道衛星が一般的に有利である.アジア域の変動調査にこれまでGMS-5(ひまわり)が用いられており,その評価を同時期に飛来したMODISと比較して,光学的厚さの違いについてその予想される原因を定量的に議論した. 原因は次のようなものが予想される; 1.非球形粒子雲の非等方性など雲自身に依存するもの, 2.衛星センサーの違い,検定等観測衛星の違いによるもの, 3.その他の観測条件の違いによるもの, 等である. 本研究ではこれらについて,APEX集中観測時のデータをもとに,GMS-5とMODISによる解析結果を,同時計測した地上観測のデータとも併せて詳細に検討した.雲頂温度を指標に水雲(非球形雲を除く)を精査した結果,雲の非等方性が推定制度に影響を与えている事が明らかとなった.これは両衛星の相互の観測位置が同一視野に対して異なることから求められ,比較的雲頂がフラットな雲では両者に差は小さく,一方非等方性の強い場合,陰部分が視野となる場合には一貫して光学的厚さが低く評価されるなどその影響が明瞭に示された.
|
Research Products
(3 results)