2004 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血管壁に分布する新型Caチャネルの分子生理・薬理学的研究
Project/Area Number |
04F04721
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 祐之 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LARS Jensen 九州大学, 大学院・医学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 抹消抵抗血管 / 単離血管平滑筋細胞 / 電位依存性カルシウムチャネル / 血圧調節 |
Research Abstract |
ラット腸間膜細動脈(外径50〜100ミクロン)から酵素処理によって選択的に平滑筋細胞を単離する方法の開発を行った。この目的の遂行のため、(1)細動脈の同定法の確立、(2)大量の細動脈標本を選択的に回収する方法の確立、(3)細動脈平滑筋細胞の機能を温存した酵素的単離法の確立、の3点に絞って各方法の適正化を行った。また細胞機能の評価には、ビデオ画像解析による細胞長変化測定、デジタルイメージング法によるCa蛍光測定・パッチクランプ法による膜電流測定を用いた。その結果、(a)ラットを無痛麻酔下(opiate+droperidol+diazepam)に開腹し、鏡検下に37度で硬化するゲルとマグネットを含む酵素カクテル液を灌流した後、遠心とマグネットによって細動脈片を回収する、(b)更に酵素カクテル液中で処理した後、パスツールピペットを用いてKB (Kraft Bruehe)液中で機械的に細胞を分散する、という方法によって、効率よく細動脈から単一平滑筋細胞を回収できることがわかった。また、これらの単一細胞や、酵素処理後の細動脈輪状片を用いてCaイメージングを行うと、ニフェジピンによって抑制されない電位依存性Ca流入チャネルが存在することが確認できた。しかし、一旦単一細胞にしてしまうと、細胞は急速に劣化しCaチャネル活性も検出できなくなることがしばしばあり、今後は、パッチクランプ法による電流測定がルーチンに行えるよう、上記の方法を改善していく必要がある。
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