2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒメツリガネゴケにおけるアラビノガラクタンタンパク質遺伝子群の機能解析
Project/Area Number |
04F04723
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
田中 重雄 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Kieran J.D. 東京農業大学, 応用生物科学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | アブシジン酸 / 環境ストレス耐性 / ヒメツリガネゴケ / プロテインフォスファターゼ / 分化・成長 |
Research Abstract |
アラビノガラクタンタンパク質(AGP)は植物の細胞膜あるいは細胞壁に蓄積する糖タンパク質であり、植物の成長・発達あるいは環境ストレス応答に関与していることが明らかになりつつあるが、未だその作用機作は不明である。我々は現在までの共同研究において、岡崎基礎生物学研究所・長谷部光泰教授の協力を得て、同教授が構築したヒメツリガネゴケ完全長cDNAデータベースから、AGPをコードする遺伝子6種(PpAGP1,PpAGP2,PpAGP3,PpAGP4,PpFLA1,PpFLA2)を同定した。さらに、AGPに特異的に結合するヤリブ試薬を用いて精製したタンパク質のアミノ酸配列情報と一致するタンパク質をコードする遺伝子を新たに同定し、PpAGP5と命名した。PpAGP5は生化学的に同定されたAGPのアミノ酸配列と一致することから、ヒメツリガネゴケにおいて主要に存在するAGPをコードしていると考えられる。今後、この遺伝子をノックアウトしたヒメツリガネゴケを作出・解析することで、P.PAGP5の機能が明らかになると考えられる。また、ABA処理をしたヒメツリガネゴケから調製したRNAを用いたマイクロアレー解析から、ABAで誘導される新たなAGP遺伝子(ppFLA3)を同定した。このAGP遺伝子は動物の接着因子に見られるファシクリンドメインを有しており、シロイヌナズナではこのタイプのAGPが耐遠征に関与していることが示されており、このタンパク質をコードする遺伝子はABAにより誘導される。従って、ヒメツリガネゴケにおいてもPpFLA3がストレス耐性に関与していることが考えられるため、現在この遺伝子をノックアウトした形質転換体の作出を試みており、そのストレス耐性の変化を解析して行く予定である。
|