2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞内でIP_3受容体結合タンパク質による細胞内カルシウム制御
Project/Area Number |
04F04735
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
御子紫 克彦 東京大学, 医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIEFER Helene 東京大学, 医科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | IP_3 / IP_3 receptor / IRBIT / CPSF / poly-adenylation |
Research Abstract |
IP_3レセプター(IP_3R)からIP_3によって遊離するIRBITが、mRNAのpoly-adenylationに必須の分子群であるCPSFに結合することから、我々は、IP_3Rを起点としてcalciumとIRBITという2つの異なる細胞内メッセンジャーが生成され、それぞれ異なるシグナル系を動かし、統合的な細胞機能発現を制御しているのではないかと考えに基づき研究を行った。まず、IRBITとの結合に関与するCPSFサブユニットは4種類あるうちのどれかを決定するため、COS、HeLa細胞にIRBITとCPSFの各サブユニットを種々のコンビネーションで発現し、免疫沈降実験を行ったところ、IRBITは160 kDa CPSFサブユニットに特異的に結合した。160 kDa CPSFのtruncated mutantsを用いて同様の実験を行ったところ、IRBITは160 kDa CPSFのRNA結合ドメインに結合した。この結合が核画分中で主に観察されること、免疫組織化学的解析からIRBITとCPSFは核内で共局在を示すことから、IRBIT-160 kDa CPSF間の結合は、細胞核で起こること等が示唆された。また、IP_3Rとの結合には、IRBITがリン酸化されていることが必須であるのに対して、CPSFに結合するIRBITはIP_3Rとの結合に必須なリン酸化部位がリン酸化されていないことから、レスティング細胞では、IRBITは、IP_3Rに結合した形でER膜上に存在し、細胞外の刺激によってIP_3が産生されると、IRBITがIP_3Rから遊離すると同時に、何らかの脱リン酸化酵素によって脱リン酸化されることでIP_3Rとは結合できないフォームとなり、これが核内に入ってCPSFと結合するという図式が推測された。
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