2004 Fiscal Year Annual Research Report
デングウイルス耐性の組換え蚊を用いたアルボウイルスの分子生物学的制御
Project/Area Number |
04F04744
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
江下 優樹 大分大学, 医学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DIENG Hamady 大分大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒトスジシマカ / デングウイルス / ウエストナイルウイルス / アルボウイルス / 胃 / 後胃 / 宿主 / ウイルス相互作用 / 組換え蚊 |
Research Abstract |
アルボウィルスの中でデングウイルスによる感染症は、世界規模で人類の発展に影響を与えている。この問題に取り組むための新しいアプローチとして、アルボウィルス耐性の組換え蚊の遺伝子工学的作製とその応用を検討している。そのためには、推定される標的抗原を同定することが必要である。蚊の胃には、デングウィルスの増殖的感染がそこで生じる場合は、ウイルスが越えなければならない関門がある。宿主/ウイルス相互作用に関する中心的役割を蚊の胃が担っているにもかかわらず、媒介蚊のタンパク組成はほとんど知られていない。 デングウィルス媒介を阻止または干渉する候補分子同定のため、ヒトスジシマカAedes albopictus成虫の大きさと栄養状態に関連づけながら、蚊の後胃ホモジネートをSDSゲル電気泳動して、その銀染色像を分析した。その結果、雌雄間、体の大小、そして糖のみあるいは水のみを摂取した蚊間で、明らかなタンパク像の違いが見いだされた。すなわち、糖摂食の大きい雌蚊の胃には、水のみ摂食の小さい雄蚊より多くの異なるタンパクが認められた。また第2実験として、ウイルスに感染した血液によって、タンパクが胃で新たに誘導あるいは増強されるか否かを調べるため、人血液のみ、ウイルス(デングウィルス2型タイ株あるいはウエストナイルウイルスニューヨーク株)感染の人血液、あるいは糖のみを吸った蚊の胃タンパク像を比較した。ウイルス感染血液を吸った蚊の胃には、未感染血液あるいは糖摂食の雌蚊では認められない複数タンパクが誘導・増強された。一方、ウイルス受容体であるヒトスジシマカ生体の遺伝子マーキングによる遺伝子組換え体作製を進めており、GFPを発現した蛹の解析を行っている。 今後の計画として、ウイルス受容性に関連して、蚊の胃で発現された特異タンパクの役割を決定するために、ウイルス感染血液を吸った雌蚊の胃に認められる特異タンパクを主として、免疫学的分析を予定している。
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[Journal Article] Seroepidemiology of dengue and assessment of public awareness of dengue in the Dominican Republic2004
Author(s)
Makino, Y., Shichijo, A., Bello, C., Eshita, Y., Disla, M., et al.
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Journal Title
Trop.Med.Health 32・4
Pages: 305-309