2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本・ハンガリーの青少年の発育・発達に関する国際比較とその教育・健康学的応用
Project/Area Number |
04F04747
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高井 省三 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CSUKAS Attila 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 成長モデル / 成長速度 / 身体測定項目 / 思春期 / 男児 / 日本 / ハンガリー |
Research Abstract |
日本・ハンガリー男児の身長,座高,上肢長,下肢長,肩幅,腰幅の成長速度変数はほとんどが正規分布していないということから中央値で分析を進めた。これらの最小速度の絶対値は身長,座高,上肢長において日本男児,肩幅の場合はハンガリーの男児の値が有意に大きかった。各項目の成人値に対する相対的最小速度の値でみると,日本男児が有意に大きかった項目に下肢長が加わった。しかし,肩幅の相対的な最小速度の値は相変わらずハンガリー男児が有意に大きかった。最大速度の絶対値は,身長,座高,肩幅では日本男児の値が有意に大きかったが,上肢長の絶対値はハンガリー男児が有意に大きかった。相対的最大速度の値は身長,座高,肩幅で日本男児が有意に大きかった。絶対値,相対的値ともに差がほとんど検出されなかった項目は腰幅であった。これらの相対的な値はそれぞれの集団の成人となったときの予測値から導き出された結果である。しかし,両集団の予測成人値に有意な差が見られたため,ハンガリー男児の各項目での値を"ハンガリー予測成人値/日本予測成人値"のファクターで標準化した。この結果,絶対値のときに見られた傾向が相対値でも再現した。 思春期の長さや相対的最小速度の関係をハンガリー男児でも検討した。日本男児の場合に-0.9,さらに有意な相関関係は見られたものの,ハンガリーの男児の場合は上述した変数間には有意ではない-0.6の値になった。日本の集団だけに限ってこの関係の定量化を試みた。回帰式4.33-0.46x思春期長さ(R^2=0.81,有意なモデル当てはめ)を使って最小速度の値が予測できる。すなわち,仮定されたモデルはこれによって生物学的な意味を持つことになる。しかしこれは,日本の男児の集団に見られた,時間と速度の変数の偶然とも言える関係であり,特別な成長のプロポーションの存在を示唆した。
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Research Products
(1 results)