2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04764
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 節 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CORNELL Alan S. 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 余剰次元 / ブラックホール / B物理 / 統一理論 |
Research Abstract |
本年度は素粒子の標準理論を越えた理論において,近い将来に実験・観測によって検証が可能であると思われる現象を見出すことに集中して研究を進めた。その主なテーマは以下の二つである。 一つ目は,素粒子物理における余剰次元の検証である。最近の高次元時空理論によると,高次元重力の基本スケールがプランクスケールよりも遥かに低い可能性があり,数年後の運転を目指している大型加速器計画LHCにおいて,量子重力現象が見つかるかもしれない,と期待されている。特にその量子重力現象のひとつとしてブラックホールが加速器内で生成され,粒子を放出しながら蒸発する過程に注目が集まっており,この過程を定量的に評価するために,高次元ブラックホールの重力波に対する散乱断面積を求めることが必要となっていた。しかし,これまでは低エネルギー極限での散乱断面積しか求められていなかった。そこで,本研究では,高エネルギーにおける微分散乱断面積を考察し,その解析的近似式を導いた。また,それを使って様々な重量波モードに対する散乱断面積を系統的に求めた。 二つ目は,いわゆるB物理に関する研究である。Bメゾン崩壊の現象論は,標準理論を越えた物理の非常によいテストとなると考えられている。特に超対称性理論における純粋な2重レプトン崩壊の振幅は,標準理論と比較して非常に大きくなることが知られている。そこで,本研究では,この過程に着目し,光子の放出を伴う2重レプトン崩壊過程も取り入れた計算を行い,どのような過程において標準理論との違いが明確になるかを明らかにした。
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Research Products
(2 results)