2005 Fiscal Year Annual Research Report
Cd-REタイプ準結晶および関連結晶の規則と不規則
Project/Area Number |
04F04775
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蔡 安邦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAY GOMEZ C. 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 準結晶 / 近似結晶 / 原子構造 / X線回折 |
Research Abstract |
平成17年度では主に、準結晶とその近似結晶の構造解析を行ってきた。 現在まで解析したCd-Yb系準結晶、1/1近似結晶および2/1近似結晶の構造に基づき、実空間における原子クラスターの配置を考察した。三つの相はいずれも同じ原子クラスターから構成されることを確認した上、準結晶の構造を構築することができた。外側の原子層は(111)3回対称方向に八つの原子が欠如した菱形30面体、原子が欠如した部分を二つの菱形30面体が貫入してできた扁平な菱形6面体と、これに加えてもう一つの鋭い菱形6面体を取り入れることによって、準結晶の構造を作り上げることができた。興味深いことに、準結晶のみにおいて、Bergmanクラスターが現れた。3次元のペンローズタイリングにおける原子の修飾にも矛盾無く説明することができた。これは実構造として初めての例である。また、この新しい概念を多くの準結晶構造への適用が期待され、高次元の構造解析に新たな展開をもたらした。 Zn-Mg-HfとIn-Ag-Eu系の近似結晶の構造解析を行った。電子回折で調べた予備的な結果では、Zn-Mg-Hf近似結晶はPm-3の空間群をもっており、Cd-Yb系近似結晶と同じ原子クラスターをもっていると期待されていたが、実際の単結晶X線構造解析において、Bergamanクラスターを有することが明らかになった。高分解能電子顕微鏡からも、同じ結果が観測されている。また、In-Ag-Eu系1/1近似結晶は超構造を示しすことを確認しており、現在詳細構造の精密化を行っている。これ以外、Spring-8にてIn-Ag-Ybの1/1および2/1近似結晶の吸収端散乱実験を行った。こちらも解析を行っている最中である。今まで、多くの結果を得ており、平成18年度中には3編の論文を投稿する予定である。
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