2004 Fiscal Year Annual Research Report
Cd-REタイプ準結晶および関連結晶の規則および不規則
Project/Area Number |
04F04775
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蔡 安邦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAY GOMEZ C. 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 準結晶 / 近似結晶 / カドミュウム-希土類金属合金 / 20面体クラスター / 20面体対称性 / 貫入 |
Research Abstract |
今まで解析したCd-Yb系準結晶、1/1近似結晶および2/1近似結晶の構造に基づき、実空間における原子クラスターの配置を考察した。三つの相はいずれも同じ原子クラスターから構成されることを実験結果から確認した。この原子クラスターは内側から四面体、12面体、20面体、切頭12面体となっている。同じ原子クラスターをもっているが、原子クラスターがどのようにつながっているのは今まで準結晶研究の大きな課題である。本研究では上記の原子クラスターもう一回り大きく考えることによってこれら準結晶と近似結晶の構造を統一的に整理できることを発見した。元来の原子クラスターのさらに外側の原子層は(111)3回対称方向に八つの原子が欠如した菱形30面体になっており、原子が欠如した部分を二つの菱形30面体が貫入した領域とお見なすことができる。つまり、この貫入した部分は扁平な菱形6面体である。これに加えてもう一つの鋭い菱形6面体を取り入れることによって、上記の三つの構造を説明することができる。今まで、準結晶の近似結晶という概念は理論が先攻して、実験で直接検証した例はなかった。本研究では実構造として初めての例を示し、準結晶研究に大きなインパクトを与えている。現在、高次元の構造を確認している。実験の方では、結晶成長に際して融液から単結晶を分離する装置を考案し、立ち上げた。この装置を用いて、In-Ag-Eu系の1/1近似結晶を作成することに成功した。現在ではこの近似結晶の構造解析を行う準備をしている。
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