2004 Fiscal Year Annual Research Report
弦理論および量子重力理論における時空の形成を主に非可換幾何学の代数的側面から研究している。
Project/Area Number |
04F04777
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川合 光 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAGNOUD Maxime 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 弦理論 / 行列模型 / 量子重力 / ループ方程式 / 非臨界弦 / 非可換幾何学 / ファジートーラス / 非可換時空と一般座標変換 |
Research Abstract |
当研究代表者は、弦理論の非摂動的な定式化と、それから得られる量子重力の基本的な性質についての研究を進めてきた。実際、当研究代表者は、1996年からはじめた一連の研究によって、10次元の超対称ゲージ理論のlarge-N reduced modelが、実は、臨界弦の構成的な定義になっていることを示し、その力学的な構造を調べてきた。この理論はIIB行列模型と呼ばれているが、時空自身をはじめとし、ゲージ群や世代の数などがすべてダイナミカルに生成されるという特徴を持っており、究極の統一模型にふさわしい性質を備えている。しかしながら、IIB行列模型には、一般座標変換に対する不変性があまり見通し良くないなどの弱点もある。 当研究課題では、次の2つのことを中心に考察を進めた。ひとつは、IIB行列模型よりももっと基本的な理論、例えば、一般座標変換に対する不変性を明白にもつような行列模型を探すことである。その一環として、弦理論のもう一つの定式化であるループ方程式と行列模型のより緊密な対応関係を探った。もうひとつは、曲がった時空がIIB行列模型によってどのように記述されているかを調べることである。その第一歩として、時空が最も簡単な非可換空間である、ファジートーラスの直積で与えられる場合についての分析を行い、IIB行列模型から曲がった時空が確かに生成されうることを示した。 これらの蓄積の上に弦理論を構成的に定義することによって、実際の真空を定め、時空の次元をはじめ、ゲージ対称性、世代数などを説明して見せることが、そろそろ可能になってきているのではないかと期待している。
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Research Products
(4 results)