2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテンプレートSi基板上のGe量子ドット形成に関する実験及び理論的研究
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04F04784
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Research Institution | Keio University |
Host Researcher |
伊藤 公平 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授
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Foreign Research Fellow |
MOUTANABBIR Oussama 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子ドット / 半導体 / 同位体 / 原子力間顕微鏡 / ラマン分光 |
Research Abstract |
原子間力顕微鏡を用いてシリコン基板表面をナノ酸化するために必要な実験条件(印加電圧・パルス間隔・プローブの種類,その他)の最適化を行いGe量子ドットの成長速度とそれに伴うGeドット形状などを綿密に調査した.さまざまな基板洗浄プロセス,基板方位,基板温度,Ge昇華方法,Ge蒸着速度,Ge蒸着量に対する,Ge量子ドットの形状と組成分布の変化を系統的に調べた.基本的な実験はすべて慶應義塾大学で行い,特に基板の洗浄プロセスの詳細を調べて表面に残留しがちな炭素の影響を徹底的に除去した.また,イタリア・トリエステにある高輝度放射光設備や,兵庫県Spring8実験設備でGe量子ドット成長過程のその場観察に成功した.さらに,異なるGe同位体を用いた2ステップ量子ドット成長とラマン分光を組み合わせることで,濡れ層と量子ドットの相互作用を調べることに成功した.以上の成果の一部は2006年秋に開催された結晶成長の国際会議にて口頭発表され,論文として印刷中である.それらの知見をもとに,原子間力顕微鏡を用いたシリコン基板表面ナノ酸化の最適化を行い,続いてナノ酸化ドットのエッチング条件を整える工夫を行った.エッチング後に基板上に形成される「ナノくぼみ」へのゲルマニウム量子ドットの選択的成長を実現する手法の開発も進めたが,高い再現性を得るまでには至っていない.これら一連の操作を,実験では原子間力顕微鏡と超高真空分子線エピタキシー装置を用いて行い,理論的には動的モンテカルロシミュレーションの開発を中心に進めた.
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