2006 Fiscal Year Annual Research Report
各種植物繊維と樹脂との組み合せにより,高耐久性を持ち環境負荷の小さい複合材料の開発を行う
Project/Area Number |
04F04789
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川井 秀一 京都大学, 生存圏研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BERARD P R 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 木質材料 / 単板積層材(LVL) / 円筒LVL / シミュレーション / モデル解析 / 有限要素法 / 材料物性 / 弾性係数 |
Research Abstract |
これまでに求めたヒノキ材3方向の力学定数ならびに円筒LVLをモデル化した10一プライのヒノキ材の平板単板積層材(LVL)の力学的性質に関するデータを基に、有限要素法(MSC.MARC2005)によって粘弾塑性を考慮した力学モデルの構築を試みた。粘性および塑性ひずみに関するデータを求めたのち、シミュレーション実験によって、モデルの力学特性を調べた。その結果、計算値と実験値の差異は曲げヤング率の場合6.6%、曲げ強度の場合には13.4%であり、比較的高い精度で解析が可能であることを明らかにした。 次に、単板のバットジョイント角度(LVL材の軸方向に対するバットジョイントの角度)とジョイントのギャップ間隔がLVLの曲げヤング率や強度に及ぼす影響をシミュレーション実験により調べた。その結果、バットジョイント角度の曲げヤング率への影響は比較的小さく、10%程度に留まるが、その値はギャップ間隔の増大に伴って低下し、最適ジョイント角度はギャップ間隔2mmから0.5mmへの減少に伴い、10度から7度へと小さくなる傾向を示すこと明らかとなった。これに対して、曲げ強度は、ギャップ間隔によって大きな影響を受ける。すなわち、ギャップ間隔1mmを標準的なものと考えると、これを0.5mmとすることによって、約40%の強度向上が見込め、さらに理想的な接合が行われた場合(ギャップ間隔0mm)、およそ2倍の強度向上が期待できることがわかった。 これらの研究成果を論文(2報)に取りまとめる。
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